松岡 喜美子(まつおか きみこ)
県立広島女子大学(現在:県立広島大学)卒業後、管理栄養士を取得。糖尿病クリニックで栄養指導に従事しながら健康運動指導士を取得。2008年クリニックより、フリーとしての活動を開始。特定保健指導などの健康経営事業に携わる他、健康増進教室の講師やコラムなどの執筆、レシピ考案など幅広く活動している。
【所有資格】
管理栄養士/健康運動指導士/循環器病予防療養指導士/かがわ糖尿病療養指導士/貯筋運動指導者/歯科栄養アドバイザー2級/ベーシックインストラクター(JCCA)
【所属学会など】
日本高血圧学会/日本肥満学会/日本スポーツ栄養学会/日本糖尿病協会/日本コアコンディショニング協会(JCCA)
讃岐もち麦うどんでビビン麺
今回のコラムでは、讃岐もち麦うどんを使ったレシピをご紹介します!
以前のコラムで有用菌「プロバイオティクス」と有用菌のエサになる「プレバイオティクス」についてご紹介しました。
《プロバイオティクスとプレバイオティクスを含む食品》
●プロバイオティクス・・・納豆に含まれる納豆菌、ヨーグルトやチーズ、キムチ、味噌に含まれる乳酸菌 など
●プレバイオティクス・・・野菜や果物、全粒粉、大麦、大豆、きのこなどに含まれる食物繊維とオリゴ糖
讃岐もち麦うどんに含まれる「β‐グルカン」も発酵性食物繊維の一つでプレバイオティクスとして働きます。
腸の健康を保つためには、どちらか一方をとることも大切ですが、どちらも合わせてとることで相乗効果が得られます。これを「シンバイオティクス」と言います。
今回ご紹介するレシピは、プロバイオティクス(キムチの乳酸菌)とプレバイオティクス(讃岐もち麦うどんのβ-グルカン)を一緒に摂取できる、シンバイオティクスな料理です。
加熱調理も「麺をゆでる」工程だけと簡単です。
讃岐もち麦うどんのモチモチした食感がキムチ入りヤンニョムソースと絡んで美味しいですよ。是非お試しくださいね!
【香川発!】~讃岐もち麦うどんの魅力に迫る~
第3回目のコラムでは、健康面からみる讃岐もち麦うどんの魅力について迫ります。
■魅力① 発酵性食物繊維「β‐グルカン」を豊富に含む
2回目のコラムでは、発酵性食物繊維β‐グルカンは、「食後の血糖値の上昇をおだやかにする」「血中コレステロールの正常化」「内臓脂肪蓄積抑制」など、世界で健康強調表示が認められていることをご紹介しました。
これらの効果が得られるβ‐グルカンの摂取量は、1食あたり0.75~1g以上、1日3g以上の摂取が望ましいとされています。
「讃岐もち麦うどん」に含まれるβ‐グルカンは、1食あたり1.055g。日々の食事に上手くとり入れ、効率よくβ‐グルカンを摂取してみてはいかがでしょうか?
■魅力② 「讃岐もち麦うどん」は紫色のダイシモチが主原料
一般的なもち麦は、淡い茶色をしたものが多いですが、「讃岐もち麦うどん」に使用されているもち麦は、紫色をした「ダイシモチ」という品種です。
「ダイシモチ」は、香川県善通寺市で開発されたもち性の強い大麦(裸麦)で、もちもちとした食感が特徴です。収穫時期には畑一面が紫色に染まります。この紫色は「アントシアニン」と言われる色素成分で、抗酸化物質の一つです。
今、「アントシアニン」のような抗酸化物質は、第7の栄養素として注目されています。
抗酸化物質とは?
活性酸素を取り除き、酸化の働きを抑える物質のことです。
活性酸素は、過剰になると動脈硬化・がん・老化・免疫機能の低下などの原因となります。
次回は、「讃岐もち麦うどん」を使ったレシピをご紹介します!
<参考>
青江誠一郎、大麦β‐グルカンの機能性について、日本食生活学会誌、第26巻、第1号(2015)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jisdh/26/1/26_3/_pdf (閲覧日:2024年8月)
厚生労働省 e-ヘルスネット 抗酸化物質
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/food/ye-009.html (閲覧日:2024年8月)
発酵性食物繊維
大麦由来β-グルカンとは?②
「β‐グルカン」は、多くの場所で耳にするようになりましたが、実は全て同じではありません。
「β‐グルカン」は、大麦の他、きのこ類や海藻、酵母などにも含まれます。「グルカン」とは、グルコース(ブドウ糖)同士がいくつも結合した多糖の総称で、食物繊維の一種です。結合部分や枝の長さなど、由来により化学構造が異なり、機能性も大きく異なります。
大麦由来「β‐グルカン」の機能性
①血中コレステロールの正常化
大麦由来の「β‐グルカン」は、コレステロールから作られる胆汁酸と結びつき、胆汁酸の排出を促します。また、発酵性食物繊維である「β‐グルカン」は、腸内で発酵すると短鎖脂肪酸を作り、肝臓でのコレステロール合成を抑制します。
この効果は、世界でも期待されており、アメリカやカナダ、EU諸国、オーストラリア・ニュージーランドでは、「冠動脈疾患リスクを低減する可能性がある」「血中コレステロール値を低下させる」などの健康強調表示が認められています。
②食後の血糖上昇抑制
水に溶けたβ‐グルカンは粘性が高く、でんぷんなどの糖質の消化・吸収をおだやかにします。また、発酵性食物繊維が腸内で発酵して作られる短鎖脂肪酸により、インスリンの分泌を高める作用が期待できます。
③内臓脂肪蓄積抑制
β‐グルカンの粘性により、脂質の吸収が抑えられることや、発酵性食物繊維が腸内で発酵し作られる短鎖脂肪酸の働きで、脂肪の蓄積が抑えられると考えられています。
<参考>
青江 誠一郎 穀類含有食物繊維の肥満関連指標に対する改善効果に関する研究 日本栄養食糧学会誌 第75巻 第6号 261-265(2022年)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnfs/75/6/75_261/_pdf (閲覧日:2024年8月)
中村宜督 食品でひく 機能性成分の事典 女子栄養大学出版部 2022年
発酵性食物繊維
大麦由来β-グルカンとは?①
最近「β-グルカン」という言葉もよく耳にするようになりました。
このコラムでは、大麦に含まれる「β‐グルカン」について2回にわたってご紹介します。
大麦とは?
大麦は、実のつき方で「二条大麦」と「六条大麦」とに分類されます。
大粒の二条大麦は、主にビールや焼酎などの原料として用いられます。
小粒の六条大麦は、麦ごはんや麦茶などに用いられます。
お米にも「うるち米」と「もち米」があるように、大麦にも「うるち性」と「もち性」があります。大きな違いはでんぷんの質です。一般的な麦ごはんに使われるうるち性の「押麦」は、アミロースという粘り気の少ないでんぷんが中心で、もち性の「もち麦」にはアミロペクチンというもちもちとした粘り気のあるでんぷんが多く含まれています。
大麦と小麦の違いとは?
大麦と小麦は、含まれる栄養成分が違い、用途も異なります。
もち麦の特徴とは?
健康のために、主食を玄米などの精製されていないものに変える人も増えています。中でも、もちもちとした食感が特徴のもち麦は、子供から高齢者まで年代問わず食べやすく、人気があります。
「もち麦」は、うるち性大麦に比べて食物繊維含有量が多い傾向があり、大麦の胚乳部分に含まれる食物繊維が「β‐グルカン」です。
大麦に含まれる「β‐グルカン」は、米国やカナダ、EU(欧州連合)などの各国で機能性や疾病予防効果が認められ、健康強調表示も認められています。
次回は、「β-グルカン」の健康効果について詳しくご紹介します。
<参考>
中村宜督:食品でひく 機能性成分の辞典、女子栄養大学出版部(2022年)
青江誠一郎、大麦β-グルカンの機能性について、日本食生活学会誌 第26巻、3-6、2015年
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jisdh/26/1/26_3/_pdf (閲覧日:2024年7月)
夏レシピ第3弾
冷製トマトソースの全粒粉極細パスタ
今回のレシピも、「ゆでる」工程以外に火を使いません。ミキサーで作る簡単ソースと全粒粉極細パスタを和えるだけ!とっても簡単・時短でさっぱり食べられるレシピです。
35℃以上の猛暑日が全国各地で続き、熱中症に関するニュースが頻繁に報じられていますね。この時期、健康管理には欠かせない「熱中症」について簡単にご紹介したいと思います。
熱中症は、①環境 ②からだ ③行動の3つの要因から起こると考えられています。
① 環境:「気温」「湿度」「輻射熱※1」をとり入れた暑さ指数(WBGT)が評価指標として使われます。評価の目安を以下にまとめました。28を超えると、熱中症患者が増加する傾向があるようです。
② からだ:高齢者や乳幼児、肥満の人、持病がある人、低栄養状態の人、二日酔いや寝不足などで体調不良の人などは、熱中症になりやすいと言われています。脱水にならないようこまめな水分補給と通気性のよい衣服や、帽子などで体温が上がりすぎないようにする対策が必要です。
③ 行動:激しい運動や肉体労働をする人、長時間の屋外作業をする人など、暑い環境で長時間身体を動かす人も熱中症のリスクが高くなります。こまめな水分補給と合わせて木陰などの涼しい場所で休憩をとるようにしましょう。
熱中症予防のためにも、「バランスのよい食事を3食きちんととる」ことは、効率よく水分と塩分を補給でき、とても大切です。
暑くて食欲がわかない時、疲れが取れない時に、きちんとした食事を作るのは大変ですよね。そんな時に「全粒粉極細パスタ」があれば、さっと手間も時間もかけずに栄養バランスの整った食事が作れます。塩分やカリウムなどのミネラルも一緒にとれるのは、熱中症予防にもなるので嬉しいですね!
今回のレシピでご紹介しているソースは、スペインの冷製スープ「ガスパチョ」をイメージしています。ソースを多めに作っておいて、全粒粉極細パスタと合わせれば、一皿で栄養も整った食事の完成です♪♪お好みでタバスコなどを加えてみるのもおすすめです。
是非試してみてくださいね。
※1 輻射熱(ふくしゃねつ):太陽からの日射、地表面での反射、建物からの輻射のこと
<今回使用したパスタはこちら>
〈全粒粉100%〉国産小麦 まるごと全粒粉極細パスタ
https://www.store.isimaru.co.jp/view/page/wholegrain-pasta
<参考>
環境省 熱中症予防情報サイト 暑さ指数について
https://www.wbgt.env.go.jp/wbgt.php
厚生労働省 熱中症予防のための情報・資料サイト
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nettyuu/nettyuu_taisaku/
公益財団法人 日本スポーツ協会 熱中症予防運動指針
https://www.japan-sports.or.jp/medicine/heatstroke/tabid523.html
夏レシピ第2弾!
全粒粉極細パスタの大葉ジェノベーセ風
今回は、全粒粉極細パスタを使った大葉ジェノベーゼ風冷製パスタのレシピをご紹介します♪
暑い夏は、なるべく火を使いたくないですよね。このレシピは、「全粒粉極細パスタをゆでる」工程以外に火を使いません。調理時間も10分以内です。
今回のレシピには、「オメガ3脂肪酸」を多く含むあじやくるみを使っています。
「脂肪」と聞くとあまりよいイメージが湧かないかもしれませんが、からだの様々な機能を維持するために必要な油です。具体的には、多価不飽和脂肪酸に分類され、3種類あります。
「オメガ3脂肪酸」は、必須脂肪酸※1とも言われ、食事からとる必要があります。18歳以上の男性は、2.0~2.2g/日、女性は、1.6~2.0g/日が目安量となっています。DHA・EPAは、まぐろやさば、あじなどの魚介類に多く含まれ、ALA(α-リノレン酸)は、エゴマ油、アマニ油、大豆油のような植物油の他、くるみ、小松菜や春菊などの葉物野菜にも含まれます。
今回のレシピで使用しているあじとくるみの「オメガ3脂肪酸」含有量はこちら。(可食部100g中)
「全粒粉極細パスタ」は、脂質が少なめです。積極的にとりたい油「オメガ3脂肪酸」と合わせてとることで、より食事の質を高めることができます。
あじの刺身やくるみの量は、お好みで調整してくださいね。
※1 必須脂肪酸:体内で十分合成することのできない脂肪酸のこと。
<今回使用したパスタはこちら>
〈全粒粉100%〉国産小麦 まるごと全粒粉極細パスタ
https://www.store.isimaru.co.jp/view/page/wholegrain-pasta
<参考>
厚生労働省 日本人の食事摂取基準 2020年版
文部科学省 日本食品標準成分表 2020年版(八訂)
厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』 オメガ3脂肪酸について知っておくべき7つのこと
https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/communication/c03/05.html (閲覧日:2024年6月)
夏レシピ第1弾!食欲がない時でもさっぱり美味しい!全粒粉パスタレシピ
今年も猛暑が予想されています。暑い日が続くと食欲が落ちて「麺類なら食べられる!」という方も多いのではないでしょうか?そんな時にぴったりのレシピをご紹介します。
今回のレシピで使用している梅干しには、食欲増進効果や夏バテ予防によいとされる「クエン酸」が含まれます。また、トマトには、余分な塩分を排出する働きのある「カリウム」が豊富に含まれます。適量の塩分補給は、熱中症対策にもなりますので、塩分が多くなりがちな麺類とカリウムとを合わせてとることで、塩分調節が効果的に行えます。
「食欲がわかない時」「キッチンになるべく立ちたくない時」「調理の時間がとれない時」など麺類を味方につけて、暑い夏も元気に乗り切りましょう!
麺類は、栄養バランスが糖質中心に偏りがちですが、食物繊維や鉄、亜鉛などのミネラルを豊富に含む「全粒粉極細パスタ」なら冷蔵庫にある食材を合わせるだけで、簡単に栄養バランスを整えることが可能です。たんぱく質を補いたいときは、サラダチキンの他、ゆで卵をトッピングするのもおすすめです。
是非試してみてくださいね。
<今回使用したパスタはこちら>
〈全粒粉100%〉国産小麦 まるごと全粒粉極細パスタ
https://www.store.isimaru.co.jp/view/page/wholegrain-pasta
全粒粉極細パスタで
野菜たっぷりジャージャー麺
これまで、全粒粉には発酵性食物繊維「小麦由来アラビノキシラン」が豊富に含まれ、腸内で発酵して身体によい働きをしてくれることをご紹介しました。
「全粒粉極細パスタ」も全粒粉100%で作られており、「小麦由来アラビノキシラン」が含まれます。環境にも身体にも優しい「全粒粉極細パスタ」を毎日の食事にとり入れてみませんか?
今回、「全粒粉極細パスタ」を使って、不足しがちな野菜がたっぷりとれるジャージャー麺のレシピをご紹介します。ご紹介するレシピでは、1食で1日の野菜摂取目標量の半分以上がとれます。生活習慣病を予防し、健康な生活を維持するために1日350gの野菜をとることが推奨されています。
全粒粉極細パスタの細麺と野菜たっぷりの甘辛いソースを混ぜながら食べてみてくださいね。
<参考>
厚生労働省 健康日本21(第三次)
https://www.mhlw.go.jp/content/001234702.pdf (閲覧日:2024年6月)
納豆だれで濃厚ふわとろ!
全粒粉100%うどんのつけそば風
これまでのコラムでは、「腸活」のために、次の2つの方法があることをご紹介しました。
さらに、「プロバイオティクス」と「プレバイオティクス」を同時にとることで相乗効果が生まれ、よりよい効果が得られることが知られています。
今回ご紹介するレシピでは、全粒粉100%うどんに含まれる発酵性食物繊維「小麦由来アラビノキシラン」(プレバイオティクス)と納豆に含まれる納豆菌(プロバイオティクス)を同時にとることができます。
作り方も簡単なので、是非日常にとりいれてみてくださいね!
発酵性食物繊維
「小麦由来アラビノキシラン」とは?②
前回のコラムでは、発酵性食物繊維は腸内で発酵して「酪酸」「酢酸」「プロピオン酸」のような短鎖脂肪酸を作り出し、中でも「酪酸」によるからだへのメリットが大きいことをご紹介しました。
この「酪酸」を産生する菌を「酪酸産生菌」または「酪酸菌」と呼びます。
これまでの日本人を対象としたいくつかの研究では、小麦由来アラビノキシランを毎日2.1gとることで、有用菌(善玉菌)の代表ともいえる「酪酸菌」が増加し、腸内環境が改善することが確認されています。
「腸内環境の改善」と聞くと、真っ先に「お通じがよくなる」ことを思い浮かべるのではないでしょうか?
腸内にすみつく腸内細菌は、1000種類以上、100兆個あると言われています。それぞれの腸内細菌は、種類ごとにテリトリーを保ってすんでおり、集団を形成しています。この集団がお花畑に見えることから「腸内フローラ(腸内細菌叢(そう))」と呼ばれています。腸内フローラの有用菌(善玉菌)が優勢な状態になることを腸内環境の改善と表現します。
最近では、腸内環境の改善によるさまざまなからだへのメリットがわかってきました。
メリット1:腸のバリア機能を強化する
メリット2:アレルギーの予防・症状軽減が期待できる
メリット3:生活習慣病の予防と改善が期待できる
メリット4:肥満予防
メリット5:うつ症状の予防・軽減 など
上述のメリットは、まだエビデンスが十分得られていないものもありますが、今後期待できるメリットとして研究が進められています。
腸内環境を改善するためには、「酪酸」を増やすことが大切ですが、酪酸を増やす習慣と逆に減らしてしまう習慣とがあります。
全粒粉100%うどんには、1食あたり2.7gの小麦由来アラビノキシランが含まれます※1。
毎日の主食の一部を全粒粉100%うどんに変えることは、【酪酸を増やす習慣】につながります。豆類、野菜、果物などと合わせてとることで多様な発酵性食物繊維をとることができます。取り入れられそうなものから是非始めてみてくださいね。
※1 麺をゆでて冷水で水洗い後
<参考>
内藤裕二 酪酸菌を増やせば健康・長寿になれる 株式会社あさ出版(2022年)
消費者庁HP 届出食品の科学的根拠等に関する基本情報(一般消費者向け)
https://www.fld.caa.go.jp/caaks/cssc02/?recordSeq=42310250400202
厚生労働省 e-ヘルスネット 腸内細菌と健康
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-003.html
発酵性食物繊維
「小麦由来アラビノキシラン」とは?①
前回のコラムで、全粒粉100%うどんには発酵性食物繊維が豊富に含まれていることをご紹介しました♪
発酵性食物繊維は、からだにとってよい働きをしてくれる有用菌のエサになります。
この有用菌は食物繊維やオリゴ糖のようなプレバイオティクスをエサにして「短鎖脂肪酸」を作り出します。代表的な短鎖脂肪酸には、「 酪酸 」「酢酸」「プロピオン酸」がありますが、特に「 酪酸 」によるからだへのメリットが大きいことが分かっています。そのメリットの一つが、食後の小腸からのGLP-1(インクレチン)分泌を促す作用です。
GLP-1は、血糖値をコントロールするホルモンである「インスリン」の分泌を促すだけでなく、胃から腸に食べ物が排出される時間を遅らせる働きもあり、食後の血糖値の上昇をおだやかにすることが知られています。
全粒粉100%うどんに含まれる小麦由来アラビノキシランは、発酵性食物繊維の中でも短鎖脂肪酸をより多く作ることができる高発酵性食物繊維の一つです。主食として食べられることから、1食置き換えるだけでも不足しがちな食物繊維を効率よく補うことが可能です。毎日、継続してとることでプレバイオティクスの効果を得やすくなります。
是非、日々の食事にとりいれてみてくださいね。
<参考>
内藤裕二 酪酸菌を増やせば健康・長寿になれる 株式会社あさ出版(2022年)
青江誠一郎 穀類に含まれる食物繊維の特徴について 日本調理科学会誌(2016年)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/cookeryscience/49/5/49_297/_pdf/-char/ja
“発酵性食物繊維”がとれる♪♪
全粒粉100%うどんで手軽に朝ごはん
健康や美容を気にする人にとって、腸内環境を整える「腸活」は、今や欠かせないものになりました。
ヒトの腸内には、100兆個もの菌が存在していると言われています。よい働きをする菌を有用菌(プロバイオティクス)といい、ヨーグルトに含まれる乳酸菌やビフィズス菌、納豆に含まれる納豆菌などがあります。「毎日納豆やヨーグルトを食べる」など食事から有用菌(プロバイオティクス)をとることは、腸活の代表的な方法です。もう一つ、腸活のために効果的な方法があります。それは、有用菌のエサとなるプレバイオティクス(食物繊維やオリゴ糖)をとることです。
全粒粉100%うどんには、プレバイオティクスとなる食物繊維が豊富に含まれています。
さらに、全粒粉100%うどんに含まれる主な食物繊維である「小麦由来アラビノキシラン」は、発酵性食物繊維と呼ばれ、腸内で発酵して健康によい働きをもたらす短鎖脂肪酸を作り出します。短鎖脂肪酸については、次回ご紹介します♪
健康効果が注目されている発酵性食物繊維を、毎日積極的にとりましょう!
朝、時間がなくても作れる全粒粉100%うどんを使ったお手軽朝ごはんをご紹介します♪
時間をかけずに栄養がとれる「タイパ」抜群のレシピです。是非試してみてくださいね。
<参考>
日本人の食事摂取基準2020年版
日本食品標準成分表2020年版(八訂)
厚生労働省HP e-ヘルスネット 腸内細菌と健康
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-003.html